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Q-03 災害時の避難や事前準備のノウハウ

受講期限: 
視聴時間目安:約20分
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  • 適正飼養指導論 愛護・適正飼養分野 災害時の避難や事前準備のノウハウ
  • ここでの字幕表示はありません。
  • 学習のポイントは2つです。
    1つ目は、事前準備です。
    災害に備え、事前にそろえておくべきグッズや対応について学習します。
    2つ目は、実際の避難の流れです。
    ペットを連れて行う避難訓練の方法、また避難所での過ごし方について勉強していきましょう。
  • では最初に事前に準備しておくものについて解説します。
    いろいろな避難の種類、用意しておくグッズ、日頃からやっておくこと、ペット同行避難訓練の4つになります。
     
  • ペットを飼養している場合、災害時の避難行動は大きく2つにわけられます。
    1つはペットと一緒に避難先へ避難する「同行避難」といわれる行動で、もう1つはペットを置いて避難する方法です。
    現在、災害時の同行避難は、動物愛護の観点だけでなく、飼い主の心のケアの観点からも重要性が認識されています。
    しかしながら、飼い主の外出時に災害が起きたときは、自宅に戻れず、飼い主のみが避難せざるを得ない状況になるときもあることを知っておきましょう。
  • また、災害時には、「同伴避難」という言葉も使われますが、これは避難先で、飼い主がペットの飼養をすることです。
    「同行避難」や「同伴避難」にも、避難先で飼い主とペットが必ずしも同室で過ごすという意味は含まれていません。
  • 避難先の種類としては、自宅の安全が確認できたときは自宅での避難、それ以外には車中、避難所、知人宅、水害発生時には高い建物への垂直避難などがあります。
  • 事前に用意しておくグッズとしては、人のための備蓄品に加え、ペットのための備蓄品も準備が必要です。
    フードは少なくとも7日分、療法食が必要な場合は1カ月分用意します。また、おやつ、水、薬、ペットのための健康手帳などが必要です。さらに飼育・衛生用品も必要です。
  • 飼育・衛生用品としては、食器、予備の首輪、リード、写真、ペットシーツ、排泄物処理袋、ウェットティッシュ、ブラシ、マナーベルト、ゴミ袋、オモチャ、毛布やタオル、クレートのほか、猫の場合は、猫を入れるための洗濯用ネットや猫砂なども必要です。
    ペットの健康手帳には、持病や既往歴、飲んでいる薬の種類、かかりつけの動物病院の連絡先、ワクチン接種の状況などとともに、マイクロチップの番号、犬の鑑札番号や飼い主の連絡先も記入しておきましょう。
  • 備蓄品や防災グッズは、玄関付近の出し入れしやすい場所におき、災害時にすぐに持ち出せるようにしておくとよいでしょう。
    一軒家の場合は、2階にも防災グッズを置いておくと安心です。マンションの場合は、地上階の住民共有スペースに重い荷物を入れておくとよいでしょう。
    大きな災害が起こると流通が乱れ、いつものフードやペット用品などが手に入りにくくなります。万が一に備え、備蓄品は常に十分な量をストックしておきましょう。
  • 備蓄品をしまいこんでしまうと、気づいたときには、食品の消費期限が切れていることがよくあります。
    フードやおやつ、水、療法食などの消耗品は、普段使いをしながら、その都度補充し、一定量が備蓄品となるようにするとよいでしょう。これをローリングストック方式といいます。
  • 次に、災害に備えて日頃からやっておくべきポイントをおさえておきましょう。
    ポイントは、ペットの個体識別、ペットの健康管理、ペットのしつけとマナー、問題や対策、避難場所を家族で確認する、助け合える仲間をつくる、の5つです。
    では、それぞれの項目を詳しく解説していきます。
  • まず、ペットの個体識別を日頃から管理しておく重要性についてです。
    災害時の迷子に備え、ペットの首輪には、鑑札や狂犬病予防注射済票をつけましょう。
    鑑札は、住んでいる市区町村の窓口などで犬の登録を行うと交付されます。
    また、市販されている迷子札には、飼い主の連絡先を記入しましょう。
    より確実な方法として、マイクロチップを装着する方法もあります。
  • マイクロチップは、直径2ミリ、長さ10ミリほどの電子器具で、15桁の固有の識別番号が登録されています。
    獣医師などが犬や猫の首の後ろあたりに注射器で装着します。
    迷子になったときは、専用の読取器をかざすことで識別番号が表示され、飼い主をたどることができます。
    マイクロチップの装着を販売業者に義務づけたり、一般の飼い主にも装着の努力義務を課す法律が、2022年6月より施行されたので、今後はマイクロチップでの個体識別が主流になると思われます。
    こうした個体識別の管理は、災害時のペットとの離別の際にとても有益です。
  • 次に、日頃からペットの健康管理をしておきましょう。
    災害時は慣れない環境のなかで大きなストレスがかかり、体調を崩しやすいものです。
    また、ほかの動物との接触が多くなることから感染症のリスクも高くなります。
    日頃から健康管理を怠らず、予防接種やノミ・ダニ・フィラリアなどの寄生虫駆除などを行っておく必要があります。
  • 動物保護施設に預ける条件として、ワクチン接種歴や治療記録などが必要になることもあるので、ペットの健康・医療情報をまとめて携帯することも大切です。
    また、不妊・去勢手術の実施は、逸走時の繁殖、性的ストレスの軽減、ケガによる感染症の予防だけでなく、無駄吠えなどの問題行動の抑制にもつながるため、繁殖の予定がなければ、行っておきましょう。
  • 避難先で集団生活をするうえで重要になるのが、ペットのしつけとマナーです。
    同行避難中や避難所では、ペットをケージやクレートに入れる必要があるので、普段からケージやクレートが安心できる場所であることを教え、十分に慣らしておく必要があります。
    また、排泄物や抜け毛処理などのマナーを守り、鳴き声などで近所に迷惑をかけないようにしましょう。
    しつけをきちんと行い、友好的な犬に育てることも大切です。
  • 家族で、災害時に起こりうる問題点や安全対策について考える時間も重要です。
    いざというとき、ペットの居場所が危険にさらされることがないか確認しておきます。
    家具の固定や窓ガラスには飛散防止シートを張るなどの対策を立てておきましょう。
  • また、避難時に問題になりそうな事柄をリストアップしてみましょう。
    問題点を把握することで、対策を検討することができます。
    問題点は、人の問題と動物の問題に分けて、考えてみるとよいでしょう。
    人の問題では、例として、介助が必要なお年寄りがいる、子どもだけで留守番をしている時間があるなどがあります。
    一方、動物の問題の例としては、動物をたくさん飼っている、介護が必要な動物がいる、動物だけで留守番をしている時間がある、などがあります。
  • 問題点への対策は、家族でよく話し合って決めましょう。
    また、外出中に災害が起きたら一時的な避難場所としてどこに集合するか、どうやって連絡をとるか、備蓄品のリストや保管場所など、基本的な情報を共有しておくことも大切です。
    留守中の子どもや動物に関する問題は、ご近所とのコミュニケーションがとても重要になります。
    そうした課題にも家族全員で取り組んでいきましょう。
  • いざというときに助け合える飼い主同士のネットワークを作っておくことも大切です。
    情報を共有したり、困ったときに一時的にペットを預かってもらえたりできる仲間を見つけておくと安心でしょう。
    また、あらかじめ地域の行政窓口に、ペットと一緒に同行避難できる避難場所や避難所、動物の飼い主への支援などについて問い合わせをし、仲間同士で話し合っておくことが大切です。
  • 実際にペットの同行避難訓練を行うときは、何からはじめればよいのでしょうか。
    大切なポイントは3つです。
    まず、事前にペットの同行が可能な避難所を調べておきます。
    また、避難用品の準備もしておきましょう。
    さらに、荷物を実際に持ってペットと一緒に避難できるか考えておくことも大切です。
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  • 次に、実際の避難のながれについて解説します。
    災害が起こったらどのような行動をとらなくてはいけないか、避難所でのペットの飼育環境、避難所で注意したいマナー、知人や施設にペットを預けるときの注意点についてお話しします。
  • 災害が起こったら、まずは飼い主の身の安全を確保してください。
    飼い主が助からなければ生き残ったペットは行き場をなくすかもしれません。
    地震で揺れを感じたら脱出経路を確保するために、まずドアを開け、机の下に身を隠します。
    キッチンで火を使っている場合は、揺れがおさまったら火を消しに行きます。
    ペットの保護は、飼い主の身の安全を確保してから行います。
    また自宅から避難する際は、ブレーカーを落としましょう。
    ライフラインの復旧後に通電による火災を防ぐためにも必要です。
  • 避難先でのペットの飼育の形態は、避難所ごとの判断に委ねられています。
    避難先での飼育形態は、大きく3つに分けられます。
    1つ目が避難所の屋外にテントを立てたり渡り廊下などを利用したりして、ペットの飼育スペースをつくる方法です。
    2つ目が、避難所の室内につくられたペット専用の部屋で飼育する方法です。
    3つ目は、ペットと飼い主が一緒に室内で避難生活を送る方法です。
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  • 避難所で注意したいマナーについて解説します。
    避難所には、犬や猫などが苦手な人、アレルギーをもっている人などがいます。
    また、普段はおとなしいペットも被災のストレスで咬みつくことがあります。他人が安易にペットにふれないよう注意が必要です。
  • 咬傷事故を防ぐためにも、ペットはできる限りケージやクレートに入れましょう。
    ケージやクレートに布をかけておくとペットが落ち着くこともあります。
  • また、ペットの毛が飛散しないように注意する、散歩の際は必ず排泄物を取って処理する、などのマナーを守る必要があります。
  • 一方で、避難中のペットへの気づかいも忘れてはいけません。
    環境が変わることで、ストレスから吠えなどの問題行動につながるケースもあります。
    また、食欲不振や下痢、嘔吐などの症状が出ることもあります。
    避難生活では、いつも以上に健康管理に注意を払い、定期的に散歩の時間をつくったり、スキンシップや一緒に遊ぶ時間をつくったりするよう心がけましょう。
  • 避難生活が長期化した場合など、状況によっては、ペットを知人や施設に預けることを検討する必要が出てくることもあります。
    預け先を見つけるためにも、普段からの健康管理やしつけ、社会化が大切です。
    普段からペットの健康管理を怠らず、飼い主の指示に従うことができるようしつけを行うことが、いざというときにペットを守ることにつながることを覚えておきましょう。
  • ここでの字幕表示はありません。
  • これで、この講義を終了します。
    人とペットの幸せな暮らしのために、しっかりと学習を進めていきましょう。
     
  • 受講完了
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    お疲れ様でした。この回の講義を修了しました。

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